AIに文章を作らせても、結局は自分で直している。そういう方は多いでしょう。

直してほしい所を伝えると、今度は出てきた文章(出力)の別の所が変わります。やり取りを重ねるうちに、最初から自分で書いた方が早かった、と感じることもあります。

結論 原因が、頼み方や資料の渡し方といった仕事の進め方の側にある時は、出力だけを直しても、手戻りは減りません。原因を、頼む・元の資料を渡す・確認する・直すの4つの段階で見分けて、進め方も直します。

この記事で分かること

  • 出力を直しても、手戻りが減らない理由
  • 手戻りの4つの原因と、見分け方
  • 原因ごとに、次に頼む前に変えること
  • 私たちが自分たちの原稿づくりで実際に見た誤りと、その後に変えたこと

対象は、AIに提案書や案内文などの文章を作らせていて、その出力を自分やチームで直している、実務の責任者の方です。

営業、企画、総務など、職種は問いません。プログラムや画像を作らせる仕事は扱いません。

4つの段階のうち、元の資料を渡す段階と確認する段階は、私たち authentric が、自分たちの原稿をAIに書かせた時に、実際に出た誤りを踏まえています。頼む段階と直す段階は、私たちが仕事を進める時の決まりを踏まえています。

手戻りが起きる4つの段階
自分の手戻りがどの段階で起きているかを、先に見分けます。

出力を直しても、手戻りが減らないのはなぜか

原因が出力ではなく進め方の側にある時に、出力だけを直しているからです。原因が、AIへの指示(プロンプト)や、渡した元の資料にあれば、それは前のままです。次に頼む時にも残ります。

ここからは、架空のB社を例にします。事務機器の保守サービスを売る、従業員40名ほどの会社です。

営業企画の課長が、保守の受付時間が変わることを取引先に知らせる案内文を、AIに頼みました。元の資料として渡したのは、社内の打ち合わせのメモです。

出てきた案内文には「夜間の故障は、翌朝いちばんに対応いたします」とありました。打ち合わせで、説明のしかたの一つとして出た話です。会社として約束すると決めたことではありません。

課長は、その1文を消して送りました。

翌月は、別の打ち合わせのメモを渡して、定期点検の案内文を頼みました。今度は、まだ決まっていない日程が、決まった日程として書かれていました。課長は、また直して送りました。

出力だけを直すか、進め方も直すか
進め方も直す回は、その分の手間が増えます。代わりに、次の回は、直した進め方から始められます。

消した1文と、翌月の日程は、別々の誤りに見えます。原因は同じです。どちらのメモでも、決まったこと、例として出た話、まだ決まっていないことが、区別なく並んでいました。

手戻りの原因は、4つの段階に分かれます。自分の仕事で起きているのは、どれでしょうか。

こうなっていたら原因のある段階
「何か違う」と感じて、言い回しや構成を何度も直している1. 頼む
直しを頼むと、頼んでいない所まで変わる1. 頼む
決まっていないことが、決まったこととして書かれている2. 元の資料を渡す
見直したのに、ただし書きや注意書きが抜けていた3. 確認する
先月と同じような誤りを、今月も直している4. 直す(直した内容を残していない)

当てはまる段階は、1つとは限りません。B社の例は、元の資料を渡す段階に当たります。翌月も同じような誤りを直しているので、直す段階にも当たります。

原因1:何ができたら完成かを、伝えていない

「分かりやすく」「いい感じに」と頼むと、決めていない所はAIが決めます。何のための文章かを書かなければ、力の入れ所をAIが決めます。誰が読むかを書かなければ、言葉の硬さと詳しさをAIが決めます。何に使うかを書かなければ、長さと構成をAIが決めます。書いてよい範囲と、何ができたら完成かを書かなければ、資料に無い説明が足されることがあり、直しの終わりも決まりません。

出てきた文章を見て「何か違う」と感じ、言い回しや構成を直すやり取りが始まります。

頼む時に書く5つ
「何ができたら完成か」が無いと、どこまで直せば終わりかも決まりません。

頼む時に、5つを書く

架空のB社の案内文なら、次のように書きます。

書くことB社の案内文の場合
何のために受付時間の変更を前もって知らせ、問い合わせの行き違いを防ぐ。受付時間を変えるのは初めて
誰が読むか取引先の総務の担当の方。保守の契約の内容は知っている
何に使うかメールの本文として送る。400字ほど
書いてよい範囲渡した資料に書いてあることだけ。資料に無いことは足さない
何ができたら完成か受付時間がいつから、どう変わるかが伝わる。約束は、資料に事実として書いた物だけ

「何のために」には、この文章を出す目的と、背景になる経緯を書きます。何を一番伝えるかが、ここで決まります。指示に書いたことも、AIは文章に使うことがあります。文章に入れたくない背景は、書かないか、「文章には書かない」と添えます。添えた時も、出てきた文章で確かめます。

「何ができたら完成か」は、AIへの条件であり、出てきた文章を自分が確認する時の物差しにもなります。

提案書のたたき台なら、「何のために」は、聞き取った課題への提案を、次回の打ち合わせで説明する土台にすること。「何ができたら完成か」は、聞き取った課題が書かれていること、価格は書かないこと、のように書きます。課題を聞き取ったメモは、資料として渡します。案や見立ても書かせたい仕事では、【書いてよい範囲】に、見立ては見立てと分かる形で書いてよい、と足します。

指示の型は、次のとおりです。〔 〕の中を書き換えて使います。

次の文章を書いてください。

【何のために】〔この文章を出す目的と、背景になる経緯〕
【誰が読むか】〔読む人。何を知っていて、何を知らないか〕
【何に使うか】〔メールの本文、社内のお知らせ、提案書の1ページなど。長さの目安〕
【書いてよい範囲】渡した資料に書いてあることだけを使ってください。資料に無いことは足さないでください。
【何ができたら完成か】〔読んだ人に伝わっていてほしいこと。書いてはいけないこと〕

【資料】〔元の資料を貼る〕

中小企業基盤整備機構の調査報告書は、AIについて「利用者の指示(プロンプト等)次第で精度が変化する特性を持ち、利用者のスキルやノウハウに依存する点が強いとされる」と書いています。

私たちは、AIと進める仕事を記録する時に、何のための仕事かと、今回どこまでできたら終わりかを、先に書きます。この2つが空のままでは、仕事の記録を始められないようにしてあります。

直しを頼む時も、決めていない所はAIが決める

直してほしい所だけを伝えると、どこを変えてはいけないかは、AIには伝わりません。全体を書き直して、頼んでいない所まで変わることがあります。

直しを頼む時は、どこを、どう変えるかと、どこは変えないかを書きます。

次の所だけを直してください。ほかの所は、元のままにしてください。

【変える所】〔どの文を、どう変えるか〕
【変えない所】上に書いた所のほかは、すべて変えないでください。

それでもほかの所が変わる時は、直したい文だけを貼って、その文だけを書き直させます。

自社で行うこと

  • 次に頼む時に、5つを書いてから頼む
  • 直しを頼む時は、変える所と、変えない所を書く

原因2:事実・例・未定を、資料で区別していない

AIに渡す元の資料には、決まったこと、例として出た話、まだ決まっていないことが混ざっています。区別を書かずに渡すと、出力では、どれも事実として書かれることがあります。

区別せずに渡した時の、出力での書かれ方
出力だけを読んでも、元が例だったのか、未定だったのかは、分からないことがあります。

例として出た話が、事実として書かれる

架空のB社の課長が最初に渡したメモには、次のことが書かれていました。

メモに書かれていたこと種類
受付時間は、11月1日から、平日の9時から18時に変わる事実(決まったこと)
夜間の故障は翌朝の対応になる、と説明すると伝わりやすい例
料金は、据え置きの方向で調整している未定

その場にいた人が読めば、夜間の故障の話は、説明のしかたの例だと分かります。

AIに渡るのは、メモの文字だけです。この例は「夜間の故障は、翌朝いちばんに対応いたします」という、取引先への約束として書かれました。

同じことは、私たちの原稿でも起きました。資料に、例のつもりで並べた項目が、原稿では、実際にそう進んだ結果として書かれていました。

決まっていないことが、決まったこととして書かれる

同じ案内文には、誤りがもう1つありました。調整中の料金が「料金は変わりません」と書かれていたのです。課長は、こちらには気づかずに送っていました。

決まっていないことを、決まっていないと書かずに渡すと、AIが言い切りの形で書くことがあります。資料に書いていない所を、もっともらしい内容で埋めることもあります。私たちの原稿でも、資料に書いていないことが、分かっていることのように書かれていました。

こうした文も、ほかの文と同じ調子で書かれることが多く、読み返しても、そこだけが浮いて見えるとは限りません。

渡す前に、3種類を書き分ける

資料を作り直す必要はありません。渡す前に、文の頭に種類を書き足します。

種類資料での書き方指示に足す文
事実そのまま書く資料に書いてあることは、その通りに使ってください
例文の頭に「例」と書く「例」と書いた所は、文章に入れないでください
未定文の頭に「未定」と書く「未定」と書いた所は書かずに、【未定】と印を付けてください

3つの文は、頼む時の指示の【書いてよい範囲】の下に足します。

B社のメモなら、夜間の故障の話の頭に「例」、料金の話の頭に「未定」と書き足します。

案内文の料金の所には、【未定】と印を付けさせます。そこをどう書くかは、課長が決めます。AIに決めさせないための印です。

例の文は、渡す前に消しても構いません。「例」と書いて残しておけば、メモを消さずに済み、社内向けに例を使わせたい時にも使えます。その時だけ、指示に足す文を、次の文に替えます。

「例」と書いた所は、「たとえば」と断って使い、事実や約束として書かないでください。

社外に出す文では、この替えは使いません。「たとえば」が付いていても、会社の決まりのように読まれることがあるためです。

長い資料なら、間違えると困る所からで構いません。約束、金額、日付に関わる文を先に見ます。

前回の文書を見本として渡す時も、同じように書き分けます。頭に「見本」と書き、指示に「見本は形だけを使い、中身は今回の資料から書いてください」と足します。

架空のメモで、1回ずつ試した

「例」「未定」の書き分けを、架空のB社のメモで1回ずつ試しました。

頼み方例として出た話調整中の料金
区別を書かずに、「分かりやすく書いてください」とだけ頼んだ決まった対応として書かれた調整中であることが、そのまま取引先向けの文に書かれた
区別を書き足し、5つを書いた指示に、例と未定の扱い方の文を足して頼んだ入らなかった【未定】と印が付いた
4つの項目の指示で、例を「たとえば」付きで使わせた「たとえば」が付いたまま、取引先向けの文に残った【未定】と印が付いた

どれも1回ずつの結果です。表の2行目と3行目は、目的の項目や文の置き場所も異なります。例の扱い方だけを変えて比べたものではありません。社外に出す文で「たとえば」付きの文を使わないのは、この試しで、「たとえば」付きの例が取引先向けの文にそのまま残ったためです。B社の例のような料金の言い切りは、この試しでは起きませんでした。

自社で行うこと

  • 最近AIに渡した資料を1つ開き、例と未定に当たる文を探す
  • その文の頭に「例」「未定」と書き足す
  • 指示に、例と未定の扱い方の文を足す

原因3:書く役と、チェック役を分けていない

書いたAIに「見直して」と頼んでも、誤りが残ることがあります。頼んだ本人が読み返す時も、何を探すかを決めていないと、見落としが出ます。結局、最後に自分が全部読み直すことになります。

帝国データバンクの調査(2026年3月)では、生成AI活用の懸念・課題で最も多かったのは「情報の正確性」(50.4%、3つまでの複数回答)でした。同じ調査は、企業の声として「上長の確認と検証に手間がかかるようになった」を紹介しています。

チェック役を、書く役と分ける
チェック役には、元の資料と、探す物の一覧を渡します。

書いたAIの見直しでは、誤りが残ることがある

私たちの原稿では、書いたAIも、自分で資料と照らして見直していました。それでも、誤りは原稿に残りました。

見直しの結果には、書いたAIが、資料に無いと分かったうえで問題ないと判断して残した所も、挙がっていました。その判断は、見直しでは疑われませんでした。

チェック役は、新しい会話で頼む

使えるAIが1つだけでも、役は分けられます。新しい会話を開き、出力と元の資料だけを渡して、誤りを探すことだけを頼みます。これがチェック役です。

同じ会話の続きで頼むと、AIは、書いた時のやり取りを踏まえたまま見直します。書いた時の思い込みも、そのまま引き継がれることがあります。新しい会話なら、書いた時のやり取りを引き継がずに、渡された出力と資料をもとに探します。

指示の型は、次のとおりです。

次の文章に、元の資料と食い違う所が無いかを探してください。文章は直さないでください。

【探す物】
- 数字、日付、固有名詞が、元の資料と同じか
- 元の資料に無いことが、書かれていないか
- 元の資料で「例」「未定」となっていることが、事実として書かれていないか
- ただし書きや注意書きが、出てくる所すべてに付いているか

【出し方】食い違う所を1つずつ、文章の文と、元の資料の文を並べて挙げてください。見つからなければ「見つからない」と書いてください。

【元の資料】〔資料を貼る〕
【文章】〔AIの出力を貼る〕

【元の資料】には、「例」「未定」を書き足した資料を貼ります。【探す物】は、自分の仕事でよく出る誤りに合わせて、書き足します。

この型も、架空のB社のメモで1回試しました。区別を書いていないメモから案内文を書かせ、その案内文を、書いた時のやり取りを引き継いでいない同じAIに渡しました。チャットの画面で新しい会話を開くのに当たる状態です。

「例」「未定」を書き足したメモと突き合わせさせると、例として出た話が決まったこととして書かれている所と、メモに無い、取引先へのお願いの文が足されている所が、挙がりました。

人がまず読む所を決める

ただし書きは、その話が出てくる所すべてに付いているかを探させます。最初に出てくる所だけでは足りません。まとめや結論でただし書きが消えると、読んだ人は、言い切りの形で持ち帰ります。

人がまず読むのは、誤りとして挙がった所と、人の判断が要る所です。金額、約束、相手との関係に関わる文は、挙がっていなくても人が読みます。

部下がAIに書かせた文章を、上司が全部読み直している場合も同じです。部下に、チェック役の結果を付けて出してもらいます。上司がまず読むのは、挙がった所と、金額や約束に関わる文です。

確認を仕事の流れのどこに置くかは、別の記事「AIに任せること。人が決めること。」でも書いています。

自社で行うこと

  • 次の出力を、新しい会話で、元の資料と突き合わせさせる
  • 探す物の一覧に、ただし書きを入れる
  • 自分がまず読む所を、挙がった所と、判断が要る所に決める

原因4:直した内容を、指示と資料に残していない

出力を直して終わりにすると、次に頼む時の指示と資料は、前のままです。同じ原因が残るので、先月と同じような誤りを今月も直す、ということが起きます。

直しの種類と、残す場所
残すのは、繰り返す直しだけです。残す先は、指示と、資料に付ける決まりです。

指示と、資料に付ける決まりを保存しておく

残すには、指示と、資料に付ける決まり(「例」「未定」の付け方など)を、保存しておきます。文書でも、メモでも構いません。チームで使うなら、全員が開ける所に置きます。次に頼む時は、毎回打ち直さずに、そこから貼ります。

直しを残すとは、この保存した指示や、資料に付ける決まりを書き換えることです。会話の中で直しを伝えても、次に新しい会話で頼む時、AIは前回どう直されたかを知りません。書き換えて残しておけば、前回の直しは、次の指示に入った形でAIに渡ります。前回の文章を見本として渡す時は、直して送った物を渡します。

直した時に、繰り返すかを見る

直した時に、同じ直しを繰り返すかどうかを考えます。同じ指示と、同じ書き方の資料でまた頼んだら、同じ所をまた直すことになる。そう思える直しが、繰り返す直しです。今回の相手や場面に合わせただけの直しは、今回だけの直しです。

繰り返す直しは、原因が頼み方か、資料かを見て、残す場所を決めます。頼み方には、チェック役への指示も含みます。今回だけの直しは、残しません。

直しの記録を付ける

直した時に書くのは、直した所、原因の段階、次に頼む前に変えること、です。

B社の課長なら、次のようになります(架空の例です)。

直した所原因の段階次に頼む前に変えること
「夜間の故障は、翌朝いちばんに対応いたします」を消した元の資料を渡すメモの例の文の頭に「例」と書く。指示に、例の扱い方の文を足す
「料金は変わりません」が残っていた。送った後に気づいた元の資料を渡す、確認する未定の文の頭に「未定」と書く。チェック役に、未定の扱いを探させる
取引先に送る文なのに、くだけた言い方になっていた頼む指示の「誰が読むか」を書き足す
今回の相手に合わせて、冒頭のあいさつを短くした今回だけ残さない

残す時は、足すだけにしない

直しを残すたびに指示が長くなると、指示そのものが読みにくくなります。

私たちは、指摘のたびに決まりを足していき、決まりが増えすぎたことがあります。今は、足す前に、同じことについて書いた前の文を探して、入れ替えることにしています。

直した内容を次の仕事に戻して更新する考え方は、別の記事「知識を蓄えるから、仕事で活きるへ。」に書いています。

自社で行うこと

  • 指示と、資料に付ける決まりを、1か所に保存する
  • 次に直した時に、直しの記録を書く
  • 繰り返す直しを、指示か、資料の決まりに残す。残す時は、同じことについて書いた前の文と入れ替える

原因ごとに、最初に変えること

原因の段階が分かったら、最初に変えることは次のとおりです。

原因の段階最初に変えること
頼む何のために、誰が読むか、何に使うか、書いてよい範囲、何ができたら完成かを書く。直しを頼む時は、変える所と、変えない所を書く
元の資料を渡す資料の文の頭に「例」「未定」と書き、扱い方の文を指示に足す
確認する新しい会話で、チェック役に、元の資料と突き合わせさせる。ただし書きは、出てくる所すべてで探させる
直す直しの記録を付け、繰り返す直しを、保存した指示か、資料の決まりに残す

迷った時は、元の資料と並べる

どの段階か分からない時は、出力の直した文を、元の資料の文と並べます。当てはまる物を選びます。

  • 誤りではないのに直したくなるなら、指示の5つのうち、書いていないか足りない物を書き足す
  • 資料に無いことが書かれていたら、指示に、書いてよい範囲を書く
  • 資料の例や未定が、事実として書かれていたら、資料の区別を書き足す
  • 自分で読み返して見落としていたら、チェック役を分ける
  • 前にも同じような誤りを直していたら、直しの記録を付ける

記入用の「直しの記録」

原因の段階には、頼む、元の資料を渡す、確認する、直す、のうち当てはまる物を書きます。2つ書いても構いません。繰り返さない直しには、「今回だけ」と書きます。

直した所原因の段階次に頼む前に変えること
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私たちはこう考える:自分たちの原稿づくりで起きたこと

AIの出力に誤りがあった時は、書いたAIを疑う前に、指示と元の資料を見る。私たちがそう考える根拠は、私たちの発信用の原稿をAIに書かせた時の出来事です。

別々に書かせた原稿に、同じ種類の誤りが出た

同じ資料をもとに、構成の違う原稿を何本か、AIに別々に書かせました。互いの原稿は見せていません。

書き上がった原稿は、書いたAIとは別の、チェック役のAIに確認させました。原稿に書いてある事実を、1文ずつ資料と突き合わせる確認です。

結果は、どの原稿も、そのままでは出せないというものでした。しかも、誤りの種類の多くが、原稿の間で重なっていました。主な誤りは、次のとおりです。

  • 資料に例として並べた項目が、実際の結果として書かれていた
  • まだ分からない内容が、分かっていることのように書かれていた
  • 本文では付けていたただし書きが、まとめでは消え、言い切りに戻っていた
  • 程度を表す言葉が、資料より強くなっていた
  • 資料に無い理由の説明が、足されていた

別々に書かせたのに、同じ種類の誤りが出ています。私たちは、渡した資料と指示の側に原因があると判断しました。

同じ種類の誤りが出るのは、AIの癖でもあるでしょう。それでも、癖は頼む側からは変えにくく、資料と指示はすぐに変えられます。私たちは、まず資料を直しました。

書いたAIの見直しでは、誤りが残った

原稿には、書いたAIが自分で資料と照らして見直した結果も付いていました。これらの誤りは、どれもその見直しを通って、原稿に残っていました。

誤りとして挙がったのは、チェック役のAIが、1文ずつ資料と突き合わせた時でした。

誤りを洗い出した後に、資料を直した

誤りを洗い出した後、資料の冒頭に注意書きを足しました。主に、次のようなことです。

  • 並べた項目は例で、実際の結果ではないこと
  • まだ分からない内容は、分かった形で書かず、後で埋める印を置くこと
  • ただし書きは、最初に出てくる所だけでなく、出てくる所すべてで確認すること

確認のしかたにも、誤りがありました。原稿を書かせた後で足したルールを、その原稿の確認に使った所があったのです。書く時に渡されていないルールは、守りようがありません。その所は、書いた側の誤りとは言えませんでした。

向いている会社と、当てはまらない仕事

同じ種類の文章を、元の資料から繰り返し作らせている仕事に向いています。

向いている当てはまらない
同じ種類の文章を、繰り返しAIに作らせている1回きりの文章で、次に同じ仕事が無い
元になる資料やメモがあり、そこから文章を作らせている元の資料が無く、AIと一緒に一から考えている
事実や約束を間違えると困る文章を作らせている正確さより、案の数や発想を求めている

1つの業務から試す時の考え方は、別の記事「AI導入は、「ひとつの業務」から考える。」に書いています。

私たちが確かめていないことは、次のとおりです。

  • 私たちが見た誤りは、ある原稿づくりで起きたものです。ほかの仕事で同じ種類の誤りが出るかは確かめておらず、資料を直した後に誤りが減ったか、直す時間がどれだけ減るかは、測っていません
  • 書かせるAIを変えて比べてはいません。載せた指示の型がどのAIでも同じように働くか、チェック役が誤りをすべて挙げるかも、確かめていません
  • 私たちの原稿づくりでは、書く役とチェック役を、別々のAIとして動かしました。1つのAIで新しい会話を開くやり方は、架空のメモで1回試しただけです。チャットの画面ではなく、新しい会話に当たる状態を別のやり方で作って試しました

その出力、最後に誰が直していますか

直す人が1人に集まっているなら、頼み方、資料、確認の分け方から見直せます。私たちのAI業務設計では、実際の業務の流れを伺い、人が担う判断と、AIに任せる実行を整理します。

まとめ

  • 原因が仕事の進め方の側にある時は、出力だけを直しても、手戻りは減りません
  • 原因は、頼む・元の資料を渡す・確認する・直すの4つの段階に分けて見ます
  • 出力を直したら、どの段階かを見分けて、繰り返す直しを、指示か、資料の決まりに残します

最初の一歩は、最近直した所を1つ選び、原因の段階を書くことです。元の資料が原因なら、「例」「未定」の書き足しから始められます。

出典

更新履歴

  • 2026-10-02 初回公開。

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